「いい話のノート」より・・・パート15

 以前、本紙「心にビタミンいい話」で特集しました(株)ユタカファーマシーさんは、岐阜・大阪・京都・滋賀・愛知などに207店舗のドラッグストアを展開しています。遠くのお宅まで配達したり、お子さんの手を引いて一緒に買い物をしてあげたり、車までお米や水など重い物を運んで差し上げるのが当たり前のハートフルなお店です。そんなドラッグユタカさんの社員やアルバイトさんたちが休憩時間に綴った「ちょっといい話ノート」から紹介させていただきます。今回は、その第15弾です。

(その1)海津平田店(岐阜県) Aさん

 昼間のレジでのことです。年配の女性のお客様が会計をされようとした時、作業員風の若い男性のお客様が、すぐその後ろに並びました。その女性は、「お婆ちゃんは暇だから、時間はたっぷりあるから先にどうぞ」と順番を譲ったのです。最近、我先にという方が多い中、その姿を見て私までが「ありがとうございます」と言ってしまうほどでした。

志賀内泰弘

年配の人の行動は、若者のお手本になりますね。その若者が、べつの機会に同じような場面で、今度は後ろの人に順番を譲ってくれたらいいなあと思います。

(その2)彦根高宮店(滋賀県) Hさん

 ある食品スーパーに買い物に出掛けた時のことです。レジに向かうと、あいにく男性と順番がかちあってしまいました。「どうしよう」と思っていたら、男性の方から「お先にどうぞ」と声を掛けていただきました。カゴの中を見比べると、明からに私の方が中身が多いことがわかりました。そこで、「私の方が多いので、どうぞ」と譲りました。

 先に支払いを済まされた男性は、私に軽く会釈をして帰られました。こんな些細なことですが、気持ちが良くなる一日でした。

志賀内泰弘

またまた続いて、スーパーのレジでの話です。譲り合うことは、誰でも出来る善行です。もし、それが世界中でできたなら、戦争はなくなるに違いありません。だって、人の喜ぶ顔を見るのは、嬉しいじゃないですか!

(その3)東舞鶴駅前店(京都府) Wさん

 母親と幼いお子さんが来店された時のお話です。お子さんが「テープでお願いします」と言って、キャラクターのお菓子を差し出されました。そこで、ストアテープを貼って差しあげました。支払い後、母親から「ありがとう。子供の気持ちをわかっておられるわ。ありがとう」と。キャラクターの顔が隠れないように、お菓子の裏面にテープを貼ったことを理解していただき喜んで下さったのです。こういった気遣いをすることで、一人でも多くのお客様にファンになっていただけたらと思います。

志賀内泰弘

よく言いますよね。「子供と話す時には、子供の目線で話しなさい」と。このエピソードは、子供さんと心の目線で接したことで、心が通じたわけですね。それにしてもWさんスゴイ!子供の心を失っていないなんて!

(その4)太秦大映通店(京都府) Hさん

 会議の帰り道のことです。駅からバスに乗っていると、途中、小学校低学年の子供が乗ってきました。おそらく私立の学校で、登下校にバス通学をしているものと思われました。その子は、降りる時、定期券を通すと運転手さんにお辞儀をしたのです。その自然な仕草に感動しました。その子の行動を見て、自分は周りの人たちに感謝しているか、感謝の気持ちを伝えているかを、考えさせられました。

志賀内泰弘

お辞儀なんて、誰でもできるけれど、誰もがしているわけではない。でも、そんな簡単なことで喜んでくれる人がいる。それなら、もっともっとお辞儀をしよう!と思います。

(その5)城陽店(京都府) Kさん

 慢性中耳炎の手術のため、入院した時の話です。生命に関わる病気ではありませんでしたが、同じ病室は、甲状腺がんや舌がんなど、重い病気の人たちばかりでした。にもかかわらず、手術後にしんどそうにベッドに横たわっていると、励ましの言葉を掛けてくれたり、食事を運んだりしてくれました。

 退院後も、その方たちから手紙もいただきました。そこには感謝と励ましの言葉が書かれてありました。みなさん、たいへんな病気をされているにもかかわらず、とても前向きで気遣いのできる優しい方たちでした。その手紙は今でも大切にし、ときどき読み返しては勇気をもらっています。

志賀内泰弘

人は、辛いことに遭遇すると、その分、人に優しくなれると言います。自分が辛いからこそ、人の気持ちがわかるのですね。

(その6)押熊店(奈良県) Aさん

 レジ業務をしている時のことです。お店に勢いよく三人のお子さんが駆け込んできました。小学校2年と1年くらいの男の子、そして幼稚園の女の子の3人です。兄妹でしょうか。最後に入ってきた女の子が、勢い余って転んでしまいました。一番上のお兄さんが「大丈夫か?」と近寄って声をかけました。女の子は泣きながらも、コクンと頷いて立ち上がろうとします。二番目のお兄ちゃんが、手を差し伸べようとすると、一番上のお兄ちゃんが手で制しました。女の子はスーッとは立ち上がることができません。それでも、「一人で立とうか?」と優しく微笑みまがら、女の子の頭を撫でました。今度は上手く立てました。

 直接的に助ける優しさだけでなく、見守る優しさがあることを教えてもらいました。

志賀内泰弘

その光景が目に浮かぶようです。女の子もエライ!お兄ちゃん二人もエライ!