ケンタッキー店長・副店長会議⑯・・・いい話の報告会

 (株)リウエン商事さんは、ケンタッキーフライドチキンやドトールコーヒーの加盟店を十数店舗も沖縄県で展開しています。それぞれのお店の店長・副店長さんが集まる月に一度の会議では、全員から「いい話」を報告してもらうコーナーがあります。今回は、その「ケンタッキーのスタッフのちょっといい話」の第16弾です。

(その1) ドトールコーヒー牧志店 Mさん

 とても陽射しが強い日のこと。売上入金するため、銀行まで歩いているときのことです。影のない交差点での信号待ち。眩しさと暑さで正面を見ていられなくなり、目を閉じてじっとうつむいていました。

 その時です。六十代のオバチャンが近づいて来て、そっと日傘で私を覆ってくれたのです。「ありがとうございます!」とお礼を言って気付きました。私に差し掛けて下さったことで、オバチャンが直射日光を浴びてしまっているのです。

 私の視線に気づいたオバチャンは「渡るまでだから、ご一緒しましょう!」と言ってくれました。私が断ることを察し、先回りしてサラッとキレイな言葉で返して下さるオバチャンの気遣いに感動しました。

志賀内泰弘

沖縄の太陽はジリジリ焦げそうですからね。土砂降りの雨の中の傘と同じくらい嬉しかったことでしょう。自分のことよりも人のこと。そんな生き方がしたいものです。・・・でも、なかなかできないから感動します。

(その2) ドトールコーヒー事業部 Nさん

 今年、中学生になったばかりの娘がいます。仕事が忙しく、なかなか好きなドライブに連れて行ってやれません。ときどき寂しそうな表情をするので、父親として申し訳ない気持ちで気分が滅入っていました。

 やっと時間が取れ、二人でドライブへ。娘の友達の話やお兄ちゃんの話で盛り上がりました。帰宅時、もうすぐ家に着くというところで、娘が「道路に何か白い物が!」と声を発しました。それは、車に跳ねられた猫でした。見て見ぬフリもできず車を停めました。猫はすでに息を途絶えていました。

 私は段ボールを見つけて来て、その中にそっと入れました。その間、娘は通行車両に大声を張り上げて、何回も何回も「停まってください!」と身振り手振りで事情を伝えました。その大胆な行動を見て驚くとともに嬉しくなりました。その後、二人でその猫を供養しました。

 娘が言いました。「猫ちゃんかわいそうだったね。でも、お父さんに片付けてもらってよかったね」と。親ばかかもしれませんが、心優しく温かな女性への成長の階段を上り始めた気がして、これからが楽しみになりました。

志賀内泰弘

子供って親が知らないうちに成長するものです。でも、毎日、一緒に生活していると目に見えないのです。ところが、「こういう」ことがあると、意外な一面を垣間見ることができるんですね。けっして、親ばかじゃありませんよ!

(その3) ケンタッキーフライドチキン 糸満店 Kさん

 去年からずっと思っていたことです。お店の近くにある歩道橋のゴミのことです。いつもタバコやペットボトルが散乱しています。しかも、一か月以上も前に見たようなゴミもあります。行政も誰も掃除していないようです。

 店舗周りの掃除の際に、歩道橋も掃除することにしました。いざやってみると、そのゴミの多さに愕然としました。

 ところが、もっと驚いたこと。行き過ぎる何人もの人たちから「キレイにしてくれてありがとうございます」と言われたのです。実は、掃除をする前、仕事のストレスで気が滅入っていました。それが、キレイになった歩道橋を見て、気分がよくなり、また大勢の人から感謝されて嬉しくなり。掃除をするとポジティブになり人生が変わることを実感しました。

志賀内泰弘

私は、「なぜ『そうじ』をすると人生が変わるのか?」という本を書いています。にもかかわらず、掃除が苦手です。いつもエイッ!と心にカツ!を入れて掃除をします。やっぱり終わると気持ちがいい。それなら、もっとすすんでやればいいのに。掃除は人生修業の一つです。

(その4) ケンタッキーフライドチキン 北谷店 Kさん

 ある日、仕事から帰宅した時のことです。体調が悪く、重い足取りでアパートの3階の部屋まで階段をうつむきながら上っていました。

 2階まで来たとき、2階の奥の方で遊んでいる幼い女の子がいました。「久し振りに見かけたな」と思って、また階段を上り始めたその時です。後ろから「こんにちは!」と声がしました。私の所まで駆けて来て、挨拶してくれたのです。向こうは私のことを覚えていないものと勝手に思い込んでいたのに・・・。

 それも元気な挨拶。疲れた心と身体が息を吹き返しました。そして反省。私も次に会った時には、元気よく挨拶しようと。

志賀内泰弘

子供に教えられることってありますよね。子供は、大人よりも感性で人を見ているところがあります。こうして、わざわざ挨拶してくれるというのは、普段のKさんの人柄ではないでしょうか。