「こころ便り」から⑯「泳ぐ魚のように」

      木南一志

 暑中お見舞い申し上げます。暑い夏が始まり、熱中症も多くなってきているようです。水分補給はのどが渇く前にするように心がけるといいそうです。早めの休憩と水分と言われますが、無理をせずに、クーラーの効いたところでばかり生活できるわけではありませんから、暑さに耐えるための体作りも必要です。しかし、一気に無理を重ねると倒れてしまい、取り返しのつかないことにもなりかねません。

 暑い時には水中を泳ぐ魚が涼しそうで、うらやましくも思えます。しかし、魚は上流に向かって泳いでいるのですから、常に押し戻される力が働いています。そんな中を俊敏に泳いでいくわけですから、不知(しらず)不識(しらず)のうちに鍛えられるわけです。

 考えてみると、日頃の仕事の中でうまくいかないことがあるからこそ、解決に向けて知恵を絞り、改善へとこぎつけているわけです。当社は、グループ経営理念「こんな会社になろう」の中で、「お客さまに提案のできる会社」を目指しています。

 うまくいかないまま、「まぁいいか」で終わりにしてしまう仕事と、無い頭を絞りに絞って考えてみることで生まれてくる「文殊の知恵」とは大きな違いとなります。何とかできないかというお客さまの声に、基本はどの部分なのか、もっと別のやり方は無いだろうか、根こそぎ見直す方法はないかなど、日頃、当然のようにやっているから見えなくなっていることをしっかりと見直してみることが大切です。仕事は基本に基づいて実行できているだろうか?を見つめることで本当に大切なことが見えてきます。

 ① 小さなことに氣づくこと、②それを実行すること、です。

 まず、自分の仕事を反省してみる。そのうえで、やるべきことは無いか、自己流となって基本から外れてはいないかなど、小さなことを探してみましょう。

 小さな氣づきをみつけたら、チャンス!到来。それを積み上げていくことで、より大きな氣づきを得ることにつながります。掃除にたとえると、タバコの吸殻です。タバコの吸い殻に氣づけば、道端にどれほどたくさん落ちているかがわかります。氣づかない時には全くわからなかったことが、ちゃんと見えるようになるのです。それを拾い上げることができた瞬間、あなたはポイ捨てをしない人に変わるのです。こんな小さなことでも実行する人は少ないものです。 毎日の同じ仕事を通じて、言い訳を重ねるのではなく、小さくても実行のできる人を目指して進んでいきましょう。

 こんな大人が増えたなら、子供たちは教えずとも立派になります。

 まずは、私から・・・ですね。

 ロンドンオリンピックです。ガンバレ!日本!!

 東日本大震災の地にこころ寄せて