「こころ便り」から⑧「間違いはある」

      木南一志

 今年の冬は、雪が何度も降りました。以前のように雪で通行止めとか、大幅な遅れが発生することはありませんでしたが、当社にとって雪は決して嬉しいものではありません。トラック輸送だけでなく、燃料の高騰は想像以上に厳しく、温暖化の問題も含めて考えなくとはならないことがたくさんあります。

 私たちが生きるためには、動物の命をいただかなくてはならない。しかし、根こそぎ食べてしまうと私たちが生きてはいけない。こんな現実、考えたくもないことですが、今、考えて行動しないと大変なことになるということが皆にわかるようになりました。

 理想どおりに物事は進みません。だから、やろうとしたことを間違うことはよくある話です。しまった!と思ったら、まずは謝る。言い訳が出そうになったら、口を塞ぐくらいの気持ちで謝ることからはじまるでしょう。私もよく謝っていますので、頭が下げずらい気持ちはわかります。しかし、下げてしまえば大丈夫。ここからがスタートです。ピンチがチャンスに変わっていくのは、ここが始まりなのです。

「過(あやま)ちて 改めざる 
         是(これ)を過ちと謂(い)う」
                           論語 衛霊公第十五 

 間違ったことに氣づきながら、それを改めないで、そのままにしていることを過ちと言うのだという意味であると思います。知っていながら、知らん顔を決め込む・・・よくありますね。全てがきちんとできるわけがありませんから、知らん顔をしているのではないこともあります。自分が、「しまった!こうすればできていたのに…」と氣づいたことを改めるのです。やり直すのです。その繰り返しから生まれてくるのは、矛盾の解決です。

 理想どおりではないけれども、ひとつは現実に結び付けたという問題解決なのです。一つひとつは小さなことですが、この実行は自分自身を育ててくれます。そして、理想と現実で悩むことも少なくなっていくことでしょう。なぜなら、問題解決を自分の手でしているからなのです。これは、やらない人には決してわかりません。しまった!と感じながら、そのままにしている人は問題を増やしていく人でもあります。問題解決のできる人を目指したいものです。氣づく人には、チャンスが与えられるのです。