「こころ便り」から⑥「仕事を通じて」

      木南一志

 温かくなると思いかけて寒さが戻ってくると、これまでよりも寒く感じます。気持ちが春だからと感じることで、暖かいことに氣が緩んでしまうものです。心と身体は同じですから、緩んだ気持ちが風邪をひく原因となるのです。お互い氣をしっかり引き締めて、今度は暑さに向かっての季節になりますから、汗を掻いた後などは早めに着替えて、健康でいきましょう。

 政治の混迷が続いています。そんな中で、“日本この手で何とかしよう!”という掛け声で「よい国日本つくろう 日本志民会議」が動き始めています。

よい国づくりは、よい国民がいないことには始まりません。そして、一人でも多くの人が自分の権利を主張するのではなく、“他人のために”行動できる人になっていくことが、日本を蘇らせる方法であると信じます。政治の方法を多数決で論議するよりも、法律を一つでも減らす、税金を少しでも減らしていくこと、社会的な規範を大人が行動で示すことが将来を担う子供達のために大切なことだと思います。

 私たち国民にできることは何か?それは、自分の仕事を通じて人の役に立つ行動を起こしていくことです。自分だけがよければいいと考えていないけれども、いつの間にかついてしまった習慣。黄色信号になるとアクセルを踏んでしまう・・ことや、ブレーキの性能が良くなったからといって車間をつめて走るクセ。車が来ていないからと赤信号を知らん顔してわたることなど。ちょっとしたことですが、この常識というものを直していくだけで大きな力となるはずです。

 仕事を通じてできることは、もっともっとたくさんあるはずです。私は政治家になるつもりはありませんから、経営者としての仕事を通じてよい国づくりに貢献していきたいと考えています。兵庫県の府中小学校という学校で、生徒たちが登下校の際にゴミを拾っているという話を聞いて、この素晴らしい子供達に何かしてやれないものかと思いました。ゴミだらけの汚れた道路では、運転マナーも悪くなり交通事故が起こります。そして、お前が悪い!いやお前が!と悪くなる方向へと進んでしまいます。

 子供達の拾ってくれているゴミは、そのほとんどは大人が捨てたものでしょう。西村 徹先生の呼びかけに子供達は、ゴミの数を数えながら、楽しくゴミ拾いをしてくれています。私達の運送という仕事は道路を使って仕事をしています。道路は私たちの職場なのです。

 子供達の素直な心に恥じることのない大人になりましょう。よい国づくりは、政治家ではなく、私たち一人ひとりが行動を変えることですぐにでもできることなのです。

 理想論ではなく、いま自分にできることを、まずは実行していく。子供達でも知っていることを実行することです。大人として、子供達の先輩として、胸を張ってよい国を引き継いでもらえるように努力してまいりましょう。