「こころ便り」から②「仕事の作法」を読んで

      木南一志

 早くも季節は夏至を迎えて、暑い夏が始まります。以前から比べると、気温も高くなって外でする仕事は気をつけないと熱中症や脱水症状を起こすことになります。水分をしっかりと取りましょう。

 鍵山秀三郎相談役の著書「仕事の作法」という本を社内に配り、皆さんに読んでいただきました。そのなかでも、第五章 掃除の作法について自分が気になるところ、感じたところを抜き出して報告してもらいました。

 なかには、本文のほとんどを抜き出して慣れない漢字を使いながら書いてありました。

《自分達の手で掃除をすると、職場に愛着を感じるようになります。》

《掃除は、少しでも毎日することに意味があります。》

《論理的な因果関係は分かりません。ハッキリしていることは、車をきれいにしたら事故と故障が激減したという事実です。》

などなど、多くのヒントに皆さんが気づいて読んでくれたことに感謝しています。

 感想を書いてくれている人もありました。

[トラックの洗車や整備はできているが、ほうきを持っての掃除は、自分には関係ないと思っていた、それを理由に逃げていたと思う。これからは汚れているのを見たら綺麗にしていきたい。]

[入社して一年九ヶ月になりますが、この会社にお世話になってよかったと心から思っています。]

[物質的な物で欲を満たすのではなく、心(精神的)で感じ、豊かな生活をするように心がけています。]

など、読んでいて涙ぐんでしまいました。

 今年度の経営計画発表会のときに、こんな会社になりたいと思うと皆さんに訴えました。今回の感想や日々の実行してくれている姿をみて、当社の社員は素晴らしいと心底感じています。

 たいへん手前味噌で、まだまだできていないところがたくさんあるのが現実です。しかし、今まで気づかなかった人が自分で氣づいて実行していくことで、自分自身を変えることになります。また、そういう行動が会社を変えていくことに繋がります。

 会社が変わってくるということは、世の中が良くなる方向に進んでいくのです。たかが掃除ですが、これほどの大きなうねりを誰も止めることはできません。

 世の中は、自分は知らぬ顔で放っておいて、政治家が良くしてくれるものではありません。一人ひとりの実行が、どれほど大きな力を持っているかを考えると、ゴミを拾うという小さな実行が世界を変えていくことにつながっていくのです。

 日本を良くしていくのは、紛れもない私たち一人ひとりなのです。

 どうか素晴らしいこの国を、子や孫のために世界に誇れる日本にしていこうではありませんか。そのためにも、まずは足下から。