メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第19回(その5)志賀内人脈塾「一つの出逢いが人生を変える」~人のご縁、人の信用はお金で買えるか1

メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第19回
(その5)志賀内人脈塾「一つの出逢いが人生を変える」
~人のご縁、人の信用はお金で買えるか

 ☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと
「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。

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 「信用」はお金で買えるだろうか
~「心の師」の驚くべき決断~
     志賀内泰弘
                        
「お金で買えるもの」と聞かれて、パッと頭に浮かぶのは、「物」です。
かばんや貴金属、車や家など、この世に商売として売られている「物」はお金を支払うことで手に入ります。
では、「心」はどうでしょうか。
「人の心はお金で買えない」と言い切れるでしょうか。
例えば、男性が女性を口説こうとする際、高級レストランで食事を奢り、ティファニーのブローチをプレゼントしたりします。
それで「心」がクラッと来てしまう女性もいるかもしれません。
ということは・・・「心」をお金で買えるこということになります。
でも、口説かれた女性はこう言います。
「どれほど、私のことを愛しているか、それをたまたま形にしたのが食事や宝石に過ぎないのよ。
物は、愛情の表現の一つよ。けっして、私だってお金で愛を売るようなことはしていないわ」と。

私も、できことなら「心」はお金で買えないと言い切りたいです。
でも、はやり「欲」という俗物を捨てられないので、しばしば相手の「心」を判断する際に、お金を判断材料の一つにしてしまいます。
その代表的なものが、「信用」です。
例えば、パーティで初対面の人と話をする時。
まずは名刺の肩書きで相手の「値踏み(失礼!)」をします。
もし、誰もが知る大企業に勤めていたら、「信用」度は上がります。
年収は1千万円を超えているかな・・・などと、「お金」を「信用」判断の一つにしてしまっているのです。
さらに、スーツや靴を見ます。
頭髪も小奇麗にしているか否か。
結局、「見てくれ(お金)」という「心」とは対極にあるもので、「信用」度を測ります。
もっとも、それは、最初の情報に過ぎず、付き合いが始まれば自ずと内面的なことがわかり、「信用」の基準も変わっていくのですが・・・。

さて、私の「心の師」であるO氏のエピソードを紹介しましょう。
「信用」を「お金」で買ったという驚くべきお話です。
O氏はある時、自分が主催する勉強会の立食パーティで、その日初めて参加したAさんとグラスを手に立ち話をしていました。
名刺交換の後、たまたま同じゴルフクラブのメンバーだったということが判明し、旧知の仲のように話が盛り上がりました。

そこへ、勉強会の古い会員Sさんがやってきました。
「Oさん、ずいぶん話が楽しそうですね。そちらの方を紹介して下さい」
「ああ、いいですよ。Aさんです。同じゴルフクラブで・・・」
とOさんが言いかけたところで、後ろからパーティの幹事役から声を掛けられました。
「Oさん、そろそろ中締めの挨拶をお願いします」
「ああ、わかった、すぐに行きます」
AさんとOさんを振り返ると、もう名刺交換をしているので、
「ごめんなさい、失礼します」
と言い、壇上に上がりました。

 さて、それから半年後のことです。
古い会員Sさんが、困り果てた顔で勉強会の月例会にやって来ました。
Oさんの顔を見るなり、息せき切って訴えました。
 「この前、あなたに紹介してもらったAさんに詐欺に遭ったんだ。ひどい人を紹介してくれたものですね」
 Oさんには、咄嗟のことで何のことかわかりませんでした。
よくよく話を聞くと、おぼろげに半年前の立食パーティでのことが思い出されました。
Oさんは言いました。
 「Aさんとは、私もあの日が初対面です。
どなたが同伴された方かわかりませんが、あれ以来、一度もお目にかかっていません。
それに、別に、Aさんをあなたに紹介したつもりもありませんよ」
 それを聞くと、Sさんは青ざめました。
 「え!?・・・そんな」
 Oさんと、Aさんが、あまりにも楽しそうに話をしていたので、AさんはOさんの昔からの親友だと思い込んでしまったというのです。
あのパーティの後、お互いの仕事の話で盛り上がり、海外での合弁事業を共同で行うことにまで話が発展。
ところが、ベトナムに法人登記も済ませ、工場建設の初期投資をしたところで、Aさんがドロン。
音信不通になり、詐欺に遭ったとことがわかったというのです。

 「私は、あなたの友達ということで、信用して一緒に仕事を始めたのに・・・今さら知らない人だったなんて」
 Oさんは、絶句しました。
自分に責任がないことは明白です。
Sさんの早とちり。
でも、心が痛みました。自分のことを「信用」してくれた結果、騙されてしまったのですから。
Oさんは、即断しました。
 「わかった。私にも責任がある。私を信用してくれたという責任だ。被害額全額を私が負いましょう」
 そして、Sさんが戸惑って固辞したにもかかわらず、ポーンとウン百万円弁償したのです。
 私は、この話を聞き驚きました。
そんな必要がないことは、誰もの意見が一致するでしょう。
でも、Oさんは、「お金で信用を買った」のです。
「買った」というと語弊があるかもしれません。「補った」と言い換えましょうか。
そこまで「信用」というものを大切にしているからこそ、大金を支払ったのです。
そう考えると、「信用」を「お金」で買った(補った)のではなく、「信用」に比べたら、「お金」なんて比べるに値しないものだという解釈に違いないのです。
でも、頭でわかっていても、誰にも真似できることではない。
 以後、Oさんは、私の「心の師」となりました。

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