第一章 発病、そして絶望の淵へ
第1回 がん治療の闘病家族の皆さんへ捧ぐ

 平成29年5月13日、27年間連れ添ったカミさんを亡くした。享年53歳。がんと診断された時には、余命3、4か月と言われたものの、夫婦二人三脚で6年間治療を続けた。筆舌に尽くしがたい毎日。もちろん、苦しいのは当人である。 […]

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第一章 発病、そして絶望の淵へ
第2回 発病・発覚・・・ボコボコの乳房を見て卒倒する

その日も「普通」の朝が来て「普通」の一日が始まった。朝食を済ませると、私は書斎で締め切り間近の連載コラムの仕事をし、カミさんはすぐ近所の皮膚科へ出掛けた。何日か前のことだ。美容院へ行ったら、頭の前方に「ハゲ」があるという […]

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第一章 発病、そして絶望の淵へ
第3回 号泣「心配かけたくなかったの」

カミさんのボコボコのオッパイに触れた。右の胸全体がまるで陶器のようにカチカチだった。ところどころ茶色に変色。専門医の診察を受けるまでもなく、乳がんが頭部の皮膚に転移しているものと思われた。ということは・・・あちこち内臓に […]

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第一章 発病、そして絶望の淵へ
第4回 大病院でコネの偉大さを知る

「このまま死ぬ気でいた」とカミさんは言った。だが、万に一つの可能性を賭けて治療させたいと願った。町医者の、それも皮膚科の先生の紹介状では失礼ながら心許無い。私自身が大病をした時、さらに両親が治療を受けた時、学んだことがあ […]

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第一章 発病、そして絶望の淵へ
第5回 友達に電話しまくる・・・情報が欲しい

初診でM先生は、無表情のまま「検査をして後日改めて診察します」と言った。翌週以降にCT、心電図、そして放射線骨シンチの検査予約。次の診察は10日の4月21日になった。私は「そんなノンビリな」と怒鳴りそうになるのを堪えた。 […]

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第二章 右往左往、セカンドオピニオンを求めて
第6回 友達に電話しまくる・・・聴いてもらうだけで救われる

後になって、さまざまな人がいることを知る。妻ががんになった時、誰にも言わず一人で耐えたという知人の話。聞けば「幼い子供がいるので、父親として弱音を見せるわけにはいかなかった」と言う。職場でもほんの一部にしか打ち明けなかっ […]

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第二章 右往左往、セカンドオピニオンを求めて
第7回 A総合病院M先生から「延命」と告げられる

悪いに決まっている。そう覚悟はしても聞くのが恐ろしい。平成23年4月21日。A総合病院の待合室で、気付くと目を閉じ両手を合わせていた。名前を呼ばれてあの「冷たいA先生」の診察室に入った。CTなどの画像を見せられながら診察 […]

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第二章 右往左往、セカンドオピニオンを求めて
第8回 セカンドオピニオン探し

医療コーディネーター・I先生との出会い A総合病院のM先生が信用できない。医者は患者に寄り添うものではなのか。まるでロボットのように無感情で憤懣やるせない(AIが進化しロボットでも愛想がある)。とはいっても甲教授に無理を […]

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第二章 右往左往、セカンドオピニオンを求めて
第9回 医療コーディネーター・I先生からの教え

医療コーディネーター・I先生に血液、CT、細胞検査のデータを預け、何か所もの病院、医師にセカンドオピニオン受けた。日に日に、A総合病院のM先生への不信感が募っていく。信頼できる医者を見つけたかった。ほどなく、I先生から回 […]

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第二章 右往左往、セカンドオピニオンを求めて
第10回 仕事を辞めて看病に徹する

抗がん剤治療をすることに決めた。効くか効かないかわからない。 何度も繰り返し「延命」と言われたのだ。残された時間がどれくらいか。考えるだけで気が狂いそうになった。万全の態勢でカミさんの治療をフォローしようと思った。すぐに […]

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