第三章 抗がん剤恐るべし
第11回 抗がん剤は毒です

A総合病院のM先生から抗がん剤治療の説明を受けた。カミさんは最も心配していることを自分で尋ねた。「副作用は何がありますか?」と。間違いなく誰にも起こるのは脱毛。そして、人により差異はあるものの手足の指先のしびれ。そして吐 […]

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第三章 抗がん剤恐るべし
第12回 味覚を失い、泣く

抗がん剤の副作用で一番苦しいのは何か。もっともよく耳にするのは、吐き気がひどくて食べられず衰弱するというもの。だが、カミさんの場合は違った。迷わず「味が無くなったここと」と死ぬまで嘆き続けていた。それは抗がん剤を始めて4 […]

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第三章 抗がん剤恐るべし
第13回 髪は女の命・・・副作用が心を冒していく

抗がん剤を始める前から、はっきりとわかっていた副作用が「脱毛」だ。一度には抜けない。パラパラと抜け始める。カミさんも「覚悟」をしていたので、早めにウイッグ(かつら)を作りに行くことにした。病院内の売店や抗がん剤治療を受け […]

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第三章 抗がん剤恐るべし
第14回 精神科にはかかったけれど

もう自分の力だけでは支えきれないと思った。食欲不振、腹痛、倦怠感、手足のしびれ、背中の痛み、極度のホットフラッシュ(のぼせ等)が続き、カミさんはみるみる衰弱していく。ある日の午前2時。突然、「ああ~」という叫び声で私は目 […]

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第三章 抗がん剤恐るべし
第15回 何を食べるか、食べさせるか

食べたものが細胞に替わる。だから、身体に良い物を摂りたい。 少なくとも害になるものは避けたい。そこで食事療法。「がんが治る」食事という類の本は実に多い。そこに必ずと言っていいほど載っているのが「ニンジンジュース」だ。一日 […]

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第四章 苦しいときに頼りになる物
第16回 がん患者同士ゆえに分かり合える

カミさんのがんが判明してすぐのこと。ある企業からの講演の依頼があった。既に引き受けている講演のキャンセルの電話をしまくっている最中の出来事だった。担当者に正直に事情を話して、やんわりと辞退すると思わぬことを言いだした。「 […]

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第四章 苦しいときに頼りになる物
第17回 感謝することで救われる

カミさんが言った。「私が望むのは毎日家に居て、普通の生活を送ることなの。好きなご飯を自分で作って、二人で『美味しいね』って言って食べて、片付けをして、昼寝して、お風呂に入って、テレビ見て寝るの」。驚いた。以前は、「パリに […]

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第四章 苦しいときに頼りになる物
第18回 宗教の力は大きい

カミさんががんになったと聞き、私の従妹がお見舞いに来てくれた。従妹は仏教系の新興宗教を信仰していた。その従妹はかなり敬虔な信者で、やんわりと入信を勧めた。カミさんにも私にも。とにかく、大勢の人から様々な宗教や健康食品を勧 […]

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第四章 苦しいときに頼りになる物
第19回 ただ、そばに居てくれる友だち

付き添う側、つまり私が倒れてしまってはいけない。だが、看病・介護に際限はない。できることなら、24時間眠らずに診ていたいが、3日も続かないだろう。体力の維持もさることながら、どうストレスを解消するかが問題だった。好きな読 […]

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第四章 苦しいときに頼りになる物
第20回 信じて「祈る」、「祈り」は力

以前、特定の宗教を信仰していないと書いた。だが、宗教の偉大さを信じている。敬虔なクリスチャンの友人から、メールが届いた。聖書の言葉だという。 「神様は、聞いてくださいます。祈るとき、強められます。祈るとき、恩恵を受けます […]

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